ゼミのとき、写像の話になり、全射や単射がわからない、ということになって、また、いつもの例え話を始めました。この話もマンネリ化しているかなあ、と思いつつ、説明してみると、いつも反応がよいのでついつい繰り返してしまいます。
ニシザワ:「今、合コンをしていて、X が男子のグループ、Y が女子のグループだと思ってください。男子は女子にアプローチをするんだけど、そのとき、同時に2人の女子に声をかけるのは反則です。つまり、
こういうパターンはなし、というのが写像のルールです。」
ニシザワ:「それだけしかルールがない状態だと、このように
複数の男子に声をかけられる y さんのような場合も、誰からも声をかけられない y' さんのような場合もあります。これが普通の写像です。」
ニシザワ:「それで、全射、っていうのは、このように、
Yのグループのどの人たちにもアプローチしてくる男子がいる、っていうことです。ですので、女の子にとってはラッキーな場合です。しかし、ひとりの女の子に対して複数の男子がアプローチする可能性があるので、男子にとっては一人の女子をめぐって喧嘩になることもあるわけです。」
ニシザワ:「単射、っていうのは、
こういうことで、男子が喧嘩をしないですむ場合です。これは男子にとってはラッキーですが、アプローチされない女子がいるかもしれないので、女子にとっては心穏やかではない可能性もあります。」
ニシザワ:「全単射、っていうのは、うまく、 X のグループと Y のグループの間で1対1のカップルができて、どちらにとってもハッピーな状況です。」
という話を始めると、卒業生のみなさんは、ニシザワセンセイ、また今年も同じ話をしてる、と思うでしょうね(笑)。でも、この話は「鉄板」で、こう説明すると、そうか、全射や単射がどうして大切なのかわかりました(笑)、と、妙にみなさん納得してくれます。やっぱり、若者には恋愛の話はわかりやすいのでしょうか(笑)。
唯一の欠点は、そのバカ話だけが頭に残ってしまうことで、次に、では、全射であることを示してください、と、問題を出しても、えーと、それは女の子がハッピーな場合で・・・・、となってその後、全然解答が進みません(笑)。
今日は、引き続いて 加群の準同型についての話になり、Ker とか Im とかが出てきたときに、Ker f のことは Ker f = f-1({0}) と書けます。という話をしました。それで、
学生さん:「f-1({0}) と f-1(0) って違うんですか?」
という質問があったので、
ニシザワ:「 f-1({0})は、集合 {0} の逆像です。 Y の部分集合 B の逆像の定義は f-1(B) = { x ∈ X | f (x) ∈ B } ですよね。
つまり、これは、グループ B に属する女子にアプローチしようとする男子全員です。ですから、加群の準同型 f : M → N の核というのは、
ということで、0 にアプローチしようとする男子全員なわけです。 f-1(0) って書ける場合は、f が全単射であることがいえていて、ステディな対応が決まっているので、0 の相手は1人だけはっきりと決まるわけです。」
と、しょうもない説明で押し切ったら、学生さんいわく、
学生さん:「そうか、f-1(0) っていうのは 0 の彼氏で、 f-1({0}) っていうのは0 のファンクラブなんですね!! それは凄い違いです!!」
と、えらく得心していただけたようです。