昨日も夜遅く帰ったあと、夜更かしをしてしまい、目覚めたのが 9:00 過ぎで、10:20 に小学校専攻の学生さんが質問に来ることになっていたので、10:00 過ぎに家を出て、ダッシュで出勤しました。ちょうど、始業のチャイムが鳴っているときに研究室に駆けつけたら、約束をしていた学生さんはもう到着していました。学生さんも、昨日は眠れないで3時間くらいしか寝ていません、と、いっていて、お互い眠そうな顔をしながら、数学をする破目になりました。
質問は集合や写像に関することで、像や逆像の包含関係についての証明問題でした。最初は、まっとうな説明に終始しようとしていたのですが、学生さんに眠気が漂ってきたので、またまた、マンネリ化したネタを取り出して、だからさ、像っていうのは、男子のグループがアタックしている女の子全体で、逆像っていうのは、女の子のグループにアタックしようとする男子全員の集合でさあ、と、言い出すと、ああ、そうですか、と速攻で納得されてしまいました。
念のためにいうと、この方は先日の学生さんとは別の方です。
何て鉄板な説明のしかたなので しょう。数学教育の学会にでも発表しましょうか(笑)。大顰蹙を買う可能性が高いですが(笑)。
そのうち、でも集合とか位相とかって、先生になるのに使わないですよねえ、と言い出したので、ニシザワセンセイのスイッチがいきなり入ってしまって(笑)、
いや、そういうことではないと思うよ。例えば、文法は、普段話したり書いたりしているときは意識していないけど、教えるときにそれを知らないと、活用がわからないんだ、とか、助詞の使い方を勘違いしてるんだな、とかはわからないよね。教えるものの仕組みや手続きを理解していないと、生徒さんが、そのうちのどのステップで戸惑っているのか判断できないで、そんなヘンなことをしないで先生の言うとおりにしなさい、としか言えない教員になってしまうと思うよ、
と熱弁をふるったら、ああ、そうかあ、と、ふてぶて納得しかけたので、追い討ちをかけて、最近濫読しているピアジェの発生的認識論をひけらかして、幼児が図形を理解する過程が位相的な構造を通してどのように捉えられるか、などと熱く語ろうかと思ったのですが、眠たいのでこれ以上は勘弁してください的オーラが学生さんから強烈に発散していたので、やめておきました(笑)。
実は、小学校の先生になる学生さん達の数学の素養にはかなりの不安を抱いています。数学を専攻しないかぎり、小学校教諭の免許を取る方々が大学で履修する数学と数学教育の科目は、通常、せいぜい4単位程度なので、彼ら、彼女らにとっての数学はほぼ高校までのものなのです。その高校卒業までの履修時間は3割も少なくなっており、このブログでも書いたように、このことによる影響はかなりはっきりと感じられます。そして、学生さん達の卒業時期と団塊の世代の先生方の大量退職による教員の大量採用の時期が重なるのです。こういうことはあまり論じられていないと思うのですが、下手をすると、「ゆとり教育」の「2次被害」が出てしまうのではないか、という心配があるのです。
もちろん、それは学生さん達のせいではありません。こういうひどい文教政策を思いつきで推進したとしか思えない文部官僚や「有識者」の人たちには、どうしてくれるんだよ、と、思ってしまいますし、その混乱を現場が押し付けられているんだぞ、ということは、教育行政に携わる人たちには肝に銘じてほしいのですが、かといって、この件に関して、自分が、将来の人たちに対してできるのは、 大学に入って私の講義や指導を通じて数学の見方や考え方に触れた学生さんが、何人かずつ社会に出る、さらに、そのうち先生になる方によって、年に何十人かの生徒さん達には、ほんの少しでもその見方、考え方が伝わってゆく、それらの循環がよりよいものになるよう、力を尽くすことだけなのですよね。海に砂糖をまいているようなものなのかもしれませんが(笑)。
今日、質問に来ている学生さんのように数学を専門にして小学校の教員になろうとしている方には、しっかりと理解をしてほしいなあ、と、切に希望してしまうのです。
ニシザワセンセイのそんな過剰な期待を背負わされているとはつゆ知らず、質問がすっかり解決した学生さんは、この調子でいけば、集合の単位も何とかなりそうです、有難うございました、と、帰ってゆきました(笑)。
午後は、もうひとつ、水曜日の演習についての質問について答えました。問題は、ウォリスの公式の証明をアレンジしたもので、すっかり錆付いたとはいえ、私の商売道具といってもよいような話題なのですが、すっかりおたおたした説明になってしまいました。学生さんが帰ってから、これはきっと、眠たいせいで、トシのせいではない、と、自分に必死にいいきかせました(笑)。
へたばりかかっているのを自覚していたので、パット・メセニーのCDのうち、テンションが上がりそうなものを自宅から持っていき、それをBGMにしていたのですが、にもかかわらず、ふっと気を抜いたときに寝入ってしまいました。
しかし、「ソングX」 を大音量でかけながら爆睡できるのは、我ながら凄いです(笑)。
気を取り直して、昨日打ち合わせをしたオープンキャンパスの件で、地域生活専攻の委員長の先生のところに相談にいって、その結果を、ワーキンググループのチーフの先生にメールして、こちらは一段落をつけました。
16:00 からはセミナーで、 可換環をそれ自身の作用する加群とみなす、とか、イデアルで割って剰余環を定義する、などという話で、well-defined がどうなのか、などと、ニシザワセンセイのツッコミが連続して炸裂することとなり、2時間と少しで進んだのがテキスト 10 行分(笑)、という、なかなかしんどい展開です。
終わったあと、雑談になりました。修士の学生さんは、他の大学の学部を卒業した方なのですが、センセイのHPの予定によると今日2人も質問にきてたんですね、ここの学生さんは真面目に勉強しているんですね、と、驚いていました。
私にしてみるとまだまだ不満で、いつも、もっとこまめに疑問を解決していないから試験前にみんなパニックになるんだぞお、と連呼しているのですが(笑)、どうも、ニシザワセンセイの薫陶よろしく、他の大学の方々に比べると、みなさん訓練されてきているようです(笑)。
セミナーが終わった後、夜に、関数論の質問に来るかもしれない、と、言っていた学生さんがいたのを思い出し、他の用事で通りかかったついでに学生さん達がいる部屋を覗いてみたのですが、いないようだったので、たぶん大丈夫だろうと思って、再び雑用に移ろうとしたのですが、昨日も今日も5時間以上はどこかでしゃべっていたので、さすがに疲れ果てて、もういいや、あとは明日、という気分になって、帰りました。
しかし、委員会の他の委員長・副委員長の先生方は夜になってもお仕事をなさっていたらしく、頻々とメールを送られてきます。私などは仕事を押し付けられると、ここでいつもグチグチ言っているだけで、なかなか進まないのですが、役についている他の先生方は、黙々と、かつてきぱきと仕事をこなされています。みんな本当に働き者だなあ、と、いつも感心させられます。
最近、自炊してます、というのがおこがましいくらい、外食が多くなってしまっています(笑)。