2010年10月15日金曜日

朦朧として助言者を勤める

経験上、この種の発熱は、水分をとってよく寝て、ひたすら、発汗するしか直らないとわかっているので、とりあえず、昨夜から 10 数時間、延々と寝続けて、熱にうなされて、ベッドを転々として、汗をかいて目覚めて、こまめに着替えて、を繰り返して、前夜よりはましな状態にはなってきました。

ホテルの朝食バイキングに、お粥があったので、オレンジジュースやヨーグルトとともに食べて、また、部屋に戻って、ドアノブに ドント・ディスターブの札を下げて、ぎりぎりまで寝ていました。

昼前に起きて、駅に向かいました。小雨模様で肌寒い日です。温まりたいし、少しお茶でも、と思ってスターバックスに寄っても、コーヒーを飲めず、チャイ・ラテなどを頼んでしまうという有様です(笑)。

今回の出張の目的である、「北海道算数数学教育研究大会」の高校の部会の会場の最寄り駅の手稲までは札幌から電車で 10 分ほどで、さらに、会場の高校まではタクシーで 10 分程度です。会場の名前が稲北高校というところで、タクシーの運転手さんに、とうほくこうこう、お願いします、あれ?もしかすると、「いなきた」って読むんですか?というと、「とうほく」ですよ、いなきたなんて読むと、地域の人に怒られますよ、と、苦情を申し入れられてしまいました(笑)。

この大会に来ることになったのは、高校の数学教育研究の分科会のひとつに「大学入試」というものがあり、高校の先生方が、 大学入試問題を解いて、分析したり、考察したりしたことを発表して、それについて何か講評をしてほしい、ということで、大学教員が助言者として参加してほしい、という依頼が私の勤めている学科に来て、ちょうど、そこに予定がなかった私が行くことになったからなのでした。

出発する少し前に、この研究会で弘前大学の問題を担当する先生から、ご自分でといてみた解答と感想が届いたりして、気合が入っているなあ、と、感じていました。参加する先生方にご挨拶するときに、思わず、今回参加するのが初めてですし、どうやら内地から参加しているのも私だけみたいで、何だかアウェイな感じですが、お手柔らかに、と、言ってしまいました(笑)。

大学の中にいながら眺めているのと、外から眺めるのと、入試、というものについての考え方が随分違うなあ、と、思うときがあります。 個人的には、入試について、大学教員というのは、よくも悪くも普通、というか、無意識、というか、そういうところがあるように感じます。よく、予備校で、「○○に関する問題は、何年前と何年前に出たから、そろそろもう一回あるかも」というような言い方をされることがあると、うーん、と、思ってしまいます。

以前、とある高校に説明会に伺ったときに、司会役の先生に、面接のポイントなど、何か、特別なことがあれば、ぜひ、というようなことを質問されたときがあ り、アドミッションポリシーは意識しますが後はフィーリングです、と、答えたら、その先生が、残念そうな、というか、むしろ、何だ、話のわからん奴だな あ、とでも、言いたいようなそぶりを見せたことがあります。その先生にしてみると、何か公開できない秘密の基準みたいなものがあって、リップサービスで、 その欠片でも暗示してくれたりしないか、という期待があったのかもしれません。しかし、本当に無いものは無いのでしょうがありません(笑)。

これは、煙幕を張るためではなく、本当にそう思うのですが、そもそも、入学試験とは、希望する方全員に大学で勉強してほしいのですが、そうはいっても、設備その他に限界があるので、教育が成立する規模の人数の方に入学していただくようにする、というもので、こちらとして、本当の意味で考慮したいのは、入学した方々がその機会を活かして大学で充実した勉強をできるかどうか、ということなのです。そのためには、基礎的な学力も必要ですし、健全な、強さと柔軟性のある考え方も必要です。そういうことを確認できるような問題をバランスよく、ということくらいしか、意識はされていないのではないかと思います。今や、通常の大学では、難問奇問を出題して、受験生の方々を振り落とす、なんてことが必要な状況ではありませんし。

それでも、面白いなあ、と思うのは、大学教員同士のなかでは、共通した感覚があるようで、面接などを複数の専門がかけ離れている先生方と担当したときでも、とんでもなく意見が乖離する、ということが滅多にないようなのです。ただ、その感覚、というのは、言語化できるものではなく、大学にどっぷりとつかって勉強していると、何となく、できあがっていくものでもあるようです。

ですから、受験する高校生の方々に本当の意味で有効な助言をするために必要なのは、先生方が、大学で勉強した学問の雰囲気、というか、学問というものが何を重んじているか、という、価値観みたいなものを忘れないこと、だと思うのですが、信じられない、とか、きれいごとすぎる、とか、思われてしまうのでしょうか。

熱でぼんやりした頭でそんなことを考えていたら、研究会も、無事、終わりました。

再び札幌に戻って、夕方、兄と会食し、高い晩ご飯を奢らせて(笑)、しばらく話して、夜、ホテルに帰り、また、早々にベッドに入りました。

熱も下がったようで、徐々に体調も回復してきたようです。