2012年1月18日水曜日

401 年目

正月、実家に帰省したら、首都圏の駅に、やたらと青森の観光ポスターが貼ってありました。東北新幹線開業1周年キャンペーンがなされているようで、去年、拍子抜けしてしまった分、もう一度、盛り上げなおそうとしているのかもしれません。

弘前城が完成したのが 1611 年なのだそうで、昨年 2011 年は築城 400 周年だったのでした。東北新幹線が新青森まで全線開通したこととも重なり、昨年が始まった頃は、この機に弘前を盛り上げよう、と、かなり気合が入っていました。 ところが、あいにく大震災がおきてしまいました。観光客の方々は結構いらっしゃっていただきましたし、地元でもいろいろなイベントが行われて、充実はしたのだと思うのですが、それでも、おそらく、当初、計画していたような、ひたすら陽気なムードで騒ぐ、とか、これを機に観光を一気に加速させる、とかいうようなことにはならなかったのではないかと思います。

400 周年が盛り上がらなかったのは残念なのですが、実は、変に観光に拍車がかかって、街のペースが変わらなかったのはよかったのかもしれないなあ、と、思わなくもないのです。

実際に住んでみて思うのですが、弘前は、観光客向けのフォーマットがはっきりとしていない面があります。いちおう観光地といわれているのですが、名所旧跡は在住者が普段暮らしている中にあまり特別扱いされないまま無造作にありますし、観光客の方々だけで成り立っているようなお店や施設はほどんどありません。ガイドブックに出ているような飲食店や地元名産品のお店でも、地元の常連のお客さんも来るところがほとんどで、有名な観光名所のように、外来者と在住者の行くところが完全に分かれていて、名所近辺では来る人はみんな観光客と思って接する、という感じではないのです。やってきた側は、自分の事情や要望をいちいち説明しなければならず、こちらの方々もそんなに愛想がよいわけではない上に(笑)、津軽弁がすいすいと調子よい言葉でもないので(笑)、その都度、これで伝わっているのかなあ、と、不安になったりするわけです。こちらに来てしばらくして分かったのですが、迎える地元の方々は、愛想よくないように見えても、内心はとても一所懸命に、あれこれ考えて個別対応してくれているのですが、手馴れているなあ、というのとは、ちょっと違うようです。

おそらく、こちらへの旅で触れることのできるよさ、というのは、何気なく寄ってみた店が小さくて空いていて不安だったけどおいしかった、とか、どこへいったらわからないときに道を聞いたらとても親切だった、とか、最初はうまくいかなそうで不安なのだけど、そこで思わぬ発見があったり、人情に触れたり、というような、スムーズにいかないのが、一種の面白さにつながる、ということのように思います。

観光客の方々をお出迎えするのがマニュアル化されていないで、ひとつひとつのことにおたおたしてしまう感がありますので、大勢のお客さんが来るのが桜とねぷたの年2回くらいだったらよいのですが、1年中コンスタントだと、街のキャパシティを越えてしまうような気もするのです。それで、変に大量の観光客に慣れて、手馴れた感じで迎えるようになってしまうと、らしくなくなってしまうかもなあ、というところもあります。

ここで一気に攻勢にでたとしても、そのブームが去ったときには、拡張した分、ますます大変になってしまうでしょうし、観光を振興してそれだけでやっていけるように、みたいにならないで、相変わらずの、スムーズではないのだけれど(笑)、どこか暖かい、みたいなところでよかったのかもしれない、と思ってもいます。 もちろん、こちらの経済は大変なので、何かで浮上のきっかけを作りたいという気持ちが切実なのもよくわかるのですが・・・。

築城 400 年のキャンペーンの関連で最も好評だったのが、マスコットキャラクターの「たか丸くん」でした。すっかり市民におなじみになり、昨年の「ゆるキャラグランプリ」では、全国 32 位、北海道・東北地方の中ではトップ、という投票数を獲得していました。県全体、または、大都市のゆるキャラを向こうに回して、人口 18 万くらいの地方都市のキャラクターとしては大健闘でした。すっかり、「りんご娘」と並ぶ弘前の人気者になり、400 年記念祭が終わっても、今年からは、弘前市のマスコットキャラクターとして、いろいろとお仕事をしてくれるようです。よいキャラクターができてよかったです。「メロン熊」みたいなキャラクターでなくて本当によかったです(笑)(まあ、あれはあれで面白いのかもしれませんが・・・(笑))