前期は、例年の如く、教育学部1年の初等整数論と、一般教養の行列の講義、あとは演習の文献講読と大学院の授業です。この他に、3,4回ほど、半日程度、教職実践演習で、4年生の学生さん達が演習をするのを見守る役目があります。
今日は初等整数論の第1回目の講義でした。基本的に数学教育講座の1年生向けなので、入学定員の 12 名プラスアルファくらいの受講者かと思って、連絡用の配布物もそれくらいしか用意しなかったのですが、教室に入ってみると異様に人が多く、25名くらいはいます。教室を間違えてしまったかと思ったほどでした。 といっても、あまり喜んでいられる事態ではなさそうです。
学部の学校教育過程では、教員免許を取るのが卒業要件になっているので、教科教育が専門ではない教育科学や特別支援関係の専門の学生さんも何かの免許を取ることになっています。また、複数科目の免許をとることも理論上は可能です。そういう学生さんが中・高の数学の免許を取りたいと思うこともありえます。もちろん、こちらが要求する内容をきちんと身につけていただければ何の問題もないのですが、専門の勉強の合間に、免許の要件に必要な単位だけをとればよいと思われてしまうこともあるようです。
今までも、わからない、というので話をしてみると、主専攻の講義とかぶっていたという理由で、一般教養の微積分や行列の講義の内容を理解していないのに解析や線型代数の専門の講義をとろうとしてみたり、論理や集合の講義を受ける前に群論や位相の単位をとろうとしたりしていて、さすがにそれは無理なんじゃない? ということがたびたびありました。そもそも、教科ごとに入試をするようになってから、数学教育講座では数IIIまで範囲にして講義はその前提で行いますし、専門の演習も少しながら増やしてあります。おそらく、(特に文系出身の)他教科の専攻の方がついてくるのはかなり厳しいのではないかと思います。
こちらとしては、一生懸命講義をしているのにわからないとか難しいとか言われてどんよりされて、質問に来たと思ったら前提になる講義を受けていないので際限なく戻って説明することになって、それじゃあ数学は厳しいんじゃない? といっても1,2年意地を張られた挙句にいつのまにかフェードアウトされて、後から風の噂で数学の免許を諦めたらしいよ、と聞く、というのもさすがに消耗ですし、学生さんにとってもかなりの時間と労力の浪費になってしまうでしょう。 受講には十分注意していただきたいと思います。
ガイダンスでも数学講座の先生がそのように説明して、それでも数学の免許をとりたい人は個別に相談に来るように言って、実際に来たのは2,3人だった、と聞いていたのですが、結局、結構な人たちが相談なしで講義に来たみたいです。それが規則に触れる、というほどではないので、登録はできてしまいます。そこであまり拘束を強くすると、今度は、ちゃんと勉強して免許をとろうとする他教科や他専攻の方々まで締め出してしまうことになるので、それはそれで好ましくなくなってしまいます。難しいところです。
例年、この初等整数論は、まず大学の講義に慣れるように、ゆるゆると、しかも、具体的な計算方法の解説を中心にやっていたのですが、これからもずっとこれで通用する、と勘違いされてしまうのはよくないかもしれません。今年度は、将来辛くなりそうな人が早い段階で気づけるよう、内容を激化したほうがよいでしょうかね(笑)